〜 こころの現在地を知る
変わりたいと思ったとき、一番はじめにやるべきことは?
この講座を手に取ってくれたあなたは、「このままではいたくない」「早く、自分を変えたい」と思っているかもしれません。
でも、私たちはつい「早く変わらなきゃ」と思ってしまいますが、まず大切なのは「いまの自分を知ること」です。
あなたは、どんな感情をよく感じるでしょうか? どんなときに落ち込み、どんなときにイライラし、どんなときに不安になりますか?
それは、あなただけが抱えている「心の個性」であり、そこには過去の経験や、思考のクセ、無意識の習慣が深く関係しています。
このステップでは、それらをひとつひとつ、やさしく見つめていきます。
「心の地図」を描くように
心の状態は、目に見えません。
でも、「チェックすること」や「言葉にしてみること」で、少しずつ輪郭が見えてきます。
たとえば
- 自分のストレスが、どこに現れやすいかをチェックしてみたり
- 感情が生まれるパターンを見つけてみたり
- つい出てしまう「自動思考」を記録してみたり
- 過去の出来事と気持ちをふりかえって、感情の履歴をたどってみたり
これらはすべて、「心の地図」を描く作業です。
はじめはぼんやりしていた地図が、少しずつはっきりしてくると、「変わりたい」という気持ちも、より具体的な方向を持ち始めます。
このステップで目指すこと
このステップでは、次のようなことに取り組んでいきます。
- 自分の心の状態(ストレス・感情・思考パターン)を可視化する
- 感情や反応に「名前」をつけて整理する
- 思考・感情・行動のつながりを理解する
- 自分の心の履歴をふりかえる
- 自分を責めてしまう心に、やさしく寄り添う練習をする
目的はただひとつ。「いまのわたし」に気づき、認めてあげることです。
書くことは、心とつながるための対話です
このステップでは、この講座の全体でも、セルフチェックやワーク、ふりかえりシートなど、「書く」ことを大切にしていきます。
文章がうまくまとまらなくてもかまいません。自分の本音が見えないときは、「わからない」と書いても大丈夫です。
大切なのは正しい答えを出すことではなく、自分と本気で向き合ってみようとするその姿勢なのです。
どんな自分も「出会うべき自分」
心の中には、見たくない感情や、直視したくない過去があるかもしれません。でもそれらは、あなたを苦しめるためにあるのではなく、あなたがあなた自身と再びつながるための入り口でもあるのです。
どんな自分も、出会うべき自分。どんな感情も、あなたからのメッセージ。
このステップが、あなたが自分自身と手をつなぐ、やさしい第一歩になりますように。