手放す力、つながる力
誰かと関係がうまくいかなくなったとき、私たちは、こんなふうに感じてしまいがちです。
- 「もっと頑張れば、続けられたはず」
- 「関係を終わらせるなんて、無責任じゃないか」
- 「離れたら、相手を傷つけることになるかも」
- 「自分が冷たい人間に思えてしまう」
けれど本当は、関係を終わらせること=失敗や否定ではありません。それは、自分と相手、どちらも大切にしようとする「成熟した選択」でもあるのです。
「手放すこと=悪いこと」ではない
関係を終えることが、心を守ることにつながるときもある。
世の中には、「終わらせてよかった関係」が確かに存在します。
- 一方的に無理を強いられる関係
- 依存や執着によって疲弊していた関係
- お互いに傷つけ合っていたけれど、やめられなかった関係
これらを見直し、無理のない距離感に戻すことは、心の回復と再出発の一歩になります。
大切なのは、「終わり」=「拒絶」や「絶縁」ととらえるのではなく、「健やかな離れ方」や「やさしい手放し方」があるということを知ることです。
このステップで扱うこと
「関係を終える力」「手放す知恵」「新たなつながりへの意識」をテーマに深めていきます。
- すべての関係を続けなくてもいい
- 手放す力、受けとめる力
- 社会の中で、健やかな関係を築く視点
- 自分の関係の「終わり方」「続け方」をふり返るワーク
「終わり方」もまた、その人との大切な関わりの一部
関係は、つなぐことだけでなく「どう終えるか」「どんなふうに離れるか」によっても、その価値が決まります。
別れ方が雑だったばかりに、あとで傷として残ってしまうこともある。でも、ていねいに終えることで、記憶の中で穏やかな関係としてとどまり続けることもある。
あなたがこれから学ぶ「手放す力」は、つながりを諦めることではなく、関係のかたちを整える力です。次のセッションでは、まず「すべての関係を続けなくてもいい」という視点からスタートします。