あなたは、「本当はこう思っていたのに、言えなかった」「伝えたつもりが、相手にはまったく違うように受け取られていた」という経験はありませんか?
人は誰しも、心の中に「想い」や「願い」や「感じていること」を抱えて生きています。
けれどそれを、うまく表現できなかったり、誤解されることを恐れてしまったり、そもそも「言っていいのかどうか」と迷ったり、そんなことが、よく起こります。
でも、こうも言えます。
伝えることは、つながること。伝えなければ、伝わらない。伝えることを通してこそ、相手と本当に「つながる」ことができるのです。
「自己表現」は、対話のもう半分
前の章では、「聴く力」を育てました。
- 相手の話を否定せずに受け止める
- 感情や背景を感じ取りながら傾聴する
- 相手に安心感を与えるような姿勢を身につける
これは、対話における「受信力」でした。
では、今回のテーマは? そう、「発信力」「送信力」「表現力」。あなたの内なる想いを、ていねいに、誠実に、外に届ける力です。
伝えるのは「大変」と思うのには理由がある
多くの人が、自己表現に苦手意識を持っています。
- 伝えたら嫌われるのでは
- わがままだと思われないか
- 相手を傷つけてしまわないか
- 自分の感情が整理できていない
それらは、とても自然な感情です。
だから、このステップでは、ただ「表現しよう!」と無理に背中を押すのではなく、安心して表現できる「心の土台」と、効果的な表現の「技術」の両方を育てていきます。
このステップ学ぶテーマと、身につける力
- 自己表現の意義とバランス
「自分も、相手も大切にする」表現の心構え
- アサーション(率直で誠実な表現)
怒らず、卑屈にならず、自分の気持ちを伝える力
- アイメッセージの活用
「あなたが悪い」ではなく「私はこう感じた」を伝える技
- PREP法
結論→理由→具体例→再主張で、伝えたいことを明確に
- 感情の表現力
感情の押しつけにならずに、心を響かせる伝え方
- ミニ・プレゼンテーション
相手に届ける意識をもって話す、伝える実践力
ワークへの期待
このステップでは、実生活で試してみる「実践型ワーク」が多く登場します。
たとえば──
- 日常の中で、アサーションを意識してひと言伝える
- 感謝の気持ちやお願いを、PREP法で整理して伝える
- 小さな「ミニ・プレゼンテーション」にチャレンジする
失敗してもかまいません。大切なのは、「言えなかった自分」から、「伝えようとする自分」への変化です。

あなたの言葉には力があります。その言葉が、誠実で、やさしくて、明確で、相手を思いやるものであったなら、
きっと人の心に届きます。
このステップは、あなた自身の中にある「伝える力」「つながる勇気」「言葉にする優しさ」を、一緒に育てていく時間です。さあ、はじめましょう。伝えることを通して、つながるあなたへ。